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ペレットクラブ メールニュース(No.265)を配信しました(2/28)

【Pelletclub E-mail News◇2025.2.28◇No.265】を配信しました。

なお、前号(E-mail News◇2025.1.31◇No.263)は、こちらから。

※ 当会のWEBに掲載するE-Newsの添付ファイルについては、最新号が配信された段階で、前号のファイルをアップします。なお、当会会員宛に配信してい るE-Newsには、ファイルを添付して配信しております。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------

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                Pelletclub E-mail News ◇ 2025.2.28 ◇ No.265
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毎年2月は日数が短くてニュースの編集が大変なのです。

皆さん、いかがお過ごしでしょうか。

明日から3月ということで、卒業式や引っ越し、入学、就職と動きのある月です
ね。年度末ということで、お仕事も大変な時期です。

ペレット関係では、4月から新築住宅に対して省エネ基準の適合が義務化される
ことから、ペレットストーブが省エネ機器として評価を受けるに際して、各社の
ストーブを試験しています。

これは日本ペレットストーブ工業会からの依頼を受けて、ペレットクラブが上越
環境科学センターと共同で行っている事業で、省エネ法に関係する性能試験(CO
値、排ガス温度、熱効率、暖房出力)と併せて、消防法に関係する離隔距離試験
も実施しています。

性能試験に関しては、昨年秋から現時点までで、6機種が完了し、現在7機種目を
実施中です。

省エネ基準におけるペレットストーブの位置づけについては、次のブログに詳し
く書かれているので、読んでみてください。この方は薪ストーブのファンみたい
ですが、ペレットストーブにも言及されています。
https://www.forest.ac.jp/academy-archives/wooden_0127-2/

また、実際の計算プログラムは次のサイトから見ることができます。
https://house.lowenergy.jp/

また、ストーブの評価の際に用いられている規格はJFSA/PSJ-01:2024 というも
ので、内容はこちらに記されています。
https://www.kenken.go.jp/becc/documents/house/4-10_250401_v01.pdf

現在、問題となっているのは、薪やペレットが石油やガス、電気と比べて「省エ
ネ性が同じ」となっている点です。

上述したブログでは、省エネ性を問う基準は化石燃料だろうとバイオマスだろう
と変わらないと書かれていますが、果たしてそうでしょうか。

省エネ法自体は資源エネ庁のサイトに次のように記されています。
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/enterprise/overview/

"エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律(以
下「省エネ法」という。)は、一定規模以上の(原油換算で1,500kl/年以上の
エネルギーを使用する)事業者に、エネルギーの使用状況等について定期的に報
告いただき、省エネや非化石転換等に関する取組の見直しや計画の策定等を行っ
ていただく法律です。"

そもそもこの法律は、オイルショックを契機として1970年に制定されたもので、
法律の尺度は今でも「原油換算」です。この基準が全ての話をおかしくしている
のですが、法律を変えるべき立法府がメチャクチャな我が国では、根幹を変える
ことができず、以来55年、この不思議な原単位が使われ続けているという悲劇が
あります。
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/tokushu/ondankashoene/shoenetaikoku.html

また、原油に代わるエネルギーを探そうということで「石油代替エネルギー」な
る言葉が考案され、今の「再エネ」に繋がっています。省エネ法も改正を繰り返
して今に至っており、非常に控えめではありますが、二酸化炭素の排出量にも少
しだけ触れています。事業者は排出量を報告せよ、と。

つまり、そもそもの法律の主旨からすれば、ここでいう「省エネ性」というのは、
エネルギー量を削減しつつ石油依存から脱却しましょうということで、本来は省
エネと環境性がセットになっていなければならないのです。

日本語は難しいですね。曖昧で。

実際、省エネ法の義務化は2020年に義務化しようとして失敗しているのですが、
それに先立つ2014年12月3日に開催された「住宅省エネシステム検討委員会②設
備込基準検討WG暖冷房・換気設備SWG木質燃料ストーブTG」では、化石燃料の原
単位が1であることに対して、薪/ペレットストーブは0で良いんじゃないかとい
う前提で議論が開始されました。

ところが、いつの間にか「薪ストーブの効率を加味すれば1.21」くらいになって
いるそうで、ブログの主曰く「薪ストーブってそんなに悪いの?エアコンより省
エネじゃないの?っていう人もいるかもしれませんが、個人的には、今回の一次
エネルギーの計算は妥当かなと感じています。」ということのようです。

確かに、エネルギー消費量だけで見るとそういった見方になるのですが、「省エ
ネ法」自体が「エネルギー消費量」だけを目的に作られた法律ではない以上、時
代の要請も勘案すれば、係数1はないでしょう。

さすがに係数0はやりすぎだとしても、0.2とか0.3とか、その辺の数字を根拠を
もって規定するのが正しいと思います(実際、私が関わっていた過去のTGでもこ
の辺りの数字は議論された経緯があります)。

提案としては、

1)エネルギー消費量だけで省エネ法を規定するならば、原油換算という尺度を
まずは撤廃すべし。

2)石油代替エネルギーである再エネの導入を促進し、法律に書かれている二酸
化炭素の排出量をきちんと考慮した係数を算定すべし。

とまあ、こんな感じですが、変わらんのでしょう。

過去のTGでも、ある委員が「原油換算があらゆる計算をおかしくするから変更し
ろ」と発言したのですが、お役人が「それは国会の専権事項でありまして」とおっ
しゃってましたので。

今月のニュースをお届けします。

注)決してブログの方を批判している訳ではないのでご注意願います。省エネ基
準に関する薪ストーブのことをきちんと書かれている数少ないサイトだと思いま
す。

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