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ペレットクラブ メールニュース(No.214)を配信しました(12/31)

【Pelletclub E-mail News◇2021.12.31◇No.214】を配信しました。

なお、前号(E-mail News◇2021.11.30◇No.213)は、こちらから。

※ 当会のWEBに掲載するE-Newsの添付ファイルについては、最新号が配信された段階で、前号のファイルをアップします。なお、当会会員宛に配信してい るE-Newsには、ファイルを添付して配信しております。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------

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                Pelletclub E-mail News ◇ 2021.12.31 ◇ No.214
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ついに2021年も今日で最後の日になってしまいました。

ニュースの記事は12/27に完成して配信できる状態になっていましたが、この1年
間の活動を振り返って、何を書こうかと迷っているうちに、今日になってしまい
ました。

2019年12月8日に中国の武漢において、新型コロナウイルスの最初の感染者が発
症して、今月で2年が経過したことになります。

一部の業種や産業は活況を呈していますが、観光や飲食はモロに打撃を受けて、
この年末と正月を厳しい状況で迎えている方も多いと思います。

しかも、今年の冬は例年にない寒気ということで、暖房用のエネルギーが大量に
必要ですが、燃料や電力の価格が高騰しており、必要な暖を取れない方も大勢い
らっしゃることだろうと思います。

コロナ禍と温暖化は地球全体の問題であることのみならず、人間の交流や経済活
動による問題であることや、人類として対処すべき点が非常に似ています。また、
経済的な弱者に影響が大きく出る点も同じです。

そういった意味で、欧州のポストコロナの政策では、グリーンリカバリーを提唱
する中で、コロナ後の経済成長に向けた再生可能エネルギーと地球温暖化防止に
対する巨額の投資を進めていることは、非常に理解ができます。

対する我が国では、そういった政策は見当たりません。それどころか、環境対策
の予算はバラマキ政策に置き換わっているのでは、と思うような状況です。

特に、我々のようなNGO/NPOは風前の灯。人流の抑制がこういった草の根の活動
に与える影響は甚大です。地球環境の問題よりも、目の前の現金給付が優先され
る、それが実効的な政策かどうかは別として、現金のバラマキが唯一のコロナ対
策であるような状況に、とまどう2年でもありました。

バイオマスの業界を見てみると、3つの状況が指摘できます。

一つは、バイオマス発電の愚策が放置されている点。2011年3月の東日本大震災
を受けた原発停止の中で、再生可能エネルギーによる電力供給をFIT政策として
2012年7月から進めてきたことには一定の評価ができます。しかしながら、バイ
オマス発電に限って言えば、そもそも発電効率が2~3割の電源に対して熱利用の
義務化を怠っている点は看過できません。

ストーブやボイラ等の直接燃焼による熱利用であれば、8割のエネルギーが熱と
して利用できるのに、バイオマス発電では2~3割のエネルギーが電気として利用
できるに過ぎず、残った7~8割のエネルギーは排熱として捨てられます。もちろ
ん、この排熱から回収できるのはその全てではないわけですが、熱電併給(CHP)
のプラントとして設計すれば、少なくとも元のエネルギーの5割は熱として利用
できるのに、この愚策を10年も放置しているのは、政治の問題だと思います。

また、近年では、国内の森林資源に供給の限界が訪れて、今では東南アジアや北
米からチップやペレットを大量に輸入してバイオマス発電で利用する事業がFIT
の大勢を占めるようになりました。

つまり、世界の森林資源を大量に集めて、2~3割を電気に変えて、残ったエネル
ギーで海水や大気を温めて捨てている、それが日本のバイオマス発電の実態なの
です。この熱を暖房に使えれば、凍えて冬を耐える人が少なくなるのに。

しかも、その電力に対して、国民の皆さんは拒否できないので、毎月数千円の費
用を払わされています。

二つめは、バイオマス発電における木質ガス化発電の急増です。これにはチップ
を使うものとペレットを使うものの二種類がありますが、2MW以下の発電容量を
持つバイオマス発電は電力の買取価格が高いことと、カタログ上はガス化発電の
発電効率が高いことから、こういった事業への投資が増えています。

ガス化発電の場合はCHPが基本なので、総合エネルギー利用効率という点では、
汽力(BTG)による所謂バイオマス発電よりも環境的には負荷が小さいと言えま
すが、一方で、稼働率に課題があるため、実際に収支が合う事業は多くないと思
われます。投資詐欺に近いものもあるようです。

近年、国産ペレットの生産に占めるガス化発電向けの比率が高まっており、一つ
のトレンドとして注目していく必要があると思います。

三つめは、バイオマス発電やウッドショックを理由としたペレット価格の値上げ
です。原料が調達しづらくなっているということで、全国的に値上げが続いてい
ます。現状、灯油価格も上昇していますが、ペレット価格も上昇しているので、
両者の差は一向に埋まらず、灯油の代替としてのペレットという位置づけは困難
な状況です。

木質バイオマスの熱利用に関わるストーブやボイラの販売業者さんと電話やネッ
トで情報交換をするなかで、利用側の機器を販売されている方々は皆さん、苦戦
しているとおっしゃっています。

つまり、国産の木質バイオマスの熱利用分野は、バイオマス市場の中でも唯一、
見捨てられている状況が続いています。本当は一番進めるべき分野であり、欧州
で投資が進んでいるのも直接燃焼の暖房分野なのに、です。

そして、コロナ禍においてNGO/NPOのみならず、業界団体の活動も疲弊し、こう
いった部分の政策提言や調査をボランタリーに行う集団もほとんど居なくなりま
した。

それは、ペレットクラブも同様。

この2年、ニュースの発行だけは一度も怠りませんでしたが、その他の活動は目
に見える形で提示できていません。実際はウェブの改定を進めたり、生産者情報
を集めたり、規格化に協力したりしていますが、大勢の人に会えないのと、自分
たちも生き残るのに必死で、説明ができていません。

以上、言い訳が大変長くなりましたが、今年の総会は資料をお送りすることで済
ませたいと思います。また、遅くなりましたが、1月には2021年度分の会費請求
をさせていただきます。会員継続の意思のある方は、書面が届いたら、対応いた
だければと思います。

今月のニュースをお届けします。
来年は良い年になりますように。

MN_2021_12.pdf


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